今日の天気は清々しいほどの晴れ。 昨日の嵐が嘘のようだ。 「今はもう嵐より清々しい晴れがいいよ」 この広い船での習慣の食後の散歩中。今日も一人悲しく一人散歩を楽しんでいる。 前の私ならどちらかといえば晴れより、曇りのほうが好きだ。それはあいつがいた時は曇りじゃないと暑さは増すし、兎に角暑苦しい。でも今は・・・ 「って、何考えてんのよ私!あんなの居なくたってなんともない!逆に清々して・・・ンギャッ!」 ツルッ ドンッッ 「い、痛・・・」 「めずらしいな。お前が転ぶなんてよい」 「うわっ!マルコ隊長い、いつのまに!?」 「どうせあいつの事考えてたんだろ?エーs「うわぁぁぁぁぁぁ!!」うるさいよい」 マルコ隊長は私の叫び声で言おうとしていた言葉を飲み込み、耳を塞いだ。 「べ、べ、別にエース隊長の事なんて、か、か、考えてませんよ!な、何言ってるんですか!」 「そうかい、なら仕事しろよい。干してない洗濯物のが溜まってるい」 「今転んだばかりの女の子に仕事させようってんですか!?もういいです!失礼します!!」 私は船の甲板に穴を開くんじゃないかという勢いでドシドシと音を立てながらそのまま船の洗濯室へと向った。 洗濯室に着き、洗濯物をカゴに入れ、洗濯物を干す風通しがいい場所へ行く間にだいぶ頭が冷えてきた。 さっきのはどう考えて八つ当たりだ・・・。今更になってからマルコ隊長にどんだけ失礼なことをしたんだととんでもない自己嫌悪になっていく。しかも、私が転ぶなんて・・・どうした私。 パタパタ 今日の天気は本当にいい。おかげで洗濯物は夕方には乾くだろう。 「あれ?これって・・・」 大量の洗濯物の中に私がエースに買ってやったTシャツが目に入った。恐らく誰かが間違えて洗濯機に入れてしまったんだろう。 「うわぁー。懐かしい・・・」 確かエースの誕生日に365日いつでもどこでも上半身裸だったから、Tシャツを持っていないかと思って勘違いして買ってあげた。でも実際は人より体温が暑いから着てなかったって言うのをあげてから聞いて、すっごく恥ずかしかった記憶がある。 「これまだ持ってたのかアイツは」 そいえばよく着てたっけ。まだ着てたりしてたのかな。そんなことを考えていたら口元が緩んでいたのに気づいた。ハッっと周りを見回した。エースにこんな表情見られたら絶対バカにされる。 「ってバカ。エースは今居ないんだって」 そう今はいない・・・ エースはいないんだ。 洗濯物をまだ干し終えていないのにその場で仰向けになって空を見上げた。 「やっぱり足りない・・・足りないよエース。エースが居ないと足りない・・・」 両手で自分の顔を覆って大粒の雫が頬を流れる。バカだ。エースが居たら居たで私はペースを狂わされる。でも居なかったらもっとだ。今の私は居ないほうが狂ってしまうみたいだ。 だからさっさと帰ってきて早く充電させてください。 きみ不足が深刻です
(あと一発殴って、そんでお土産貰って、それからそれから・・・) 09.11.28 Title by 確かに恋だった |