1回目の『初めまして』は教団内でだった。 「初めまして、です。男嫌いなんで宜しく。」 殺気&睨みを利かしながら無表情で言い放ったリナリーと同い年くらいの女の子。ラビにとってって言う女の第一印象はまぁまぁ?ってか、中の下位だった。顔はいいのに無表情。しかも男嫌いでこのムサ苦しい教団に入団するなんてバカだなと思っていた。 その時は私服だったから気づかなかったけどなんとエクソシスト。なんか弓みたいな使うらしい。きっと無理矢理入団させられたんだなとラビは勝手な憶測をしていた。 「でさぁ、聞いてよー!!昨日ね実は・・・」 「へぇー、私も昨日・・・」 が入団してから一週間と経たないのに仲良くなったのは教団のアイドル、リナリーだった。もし、リナリー見たいな性格だったら絶対リナリーと同じく教団のアイドルになれるのに・・・と教団の野郎どもは思った。しかも女の前だとすっごくいい表情になる。今なんかリナリーと世間話であんなに可愛い笑顔で笑い合っている。その笑顔はこの間の無表情とはまるで別人に見えた。そんなラビの心にちょっとした感情が芽生えていた。ラビはこの感情に気づかず。そして何故かラビは心の中である目標が生まれた。 「(が俺に向かって笑う事!)」 たぶんすぐは無理かもしれないけど、絶対笑わせてやる!変な闘争心が生まれたのもこの時だった。 今日ちょうどラビが食堂に向かっている途中、偶然にも同じく前を歩いて食堂に向かおうとするを見つけた。今はは一人だ。チャンスっ!っと心の中で叫び元気良く話しかけてみた。 「ー!一緒にご飯食べに行『パス』・・・まだ言い終わってないさぁー」 「・・・・・」 「無視さぁ?」 さすが男嫌い。と言うべきか、ラビはどちらかと言ったら顔は良い方でしかも性格も良い方だ(変態だが)。ここまで拒絶された事がなかったラビにとっては結構のショックだった。 「?ー?」 「・・・い」 「え?」 「うるさい!ってかアンタ何なの?私言ったはずだよ、男嫌いって。話しかけないでくれない?」 「じゃ、俺の事男っておもわないでいいさぁー」 「はぁ?何それ?何かのギャグ?全然笑えない」 「だーかーらー、俺の事男じゃなくて友達又は仲間って事にしてさー」 「っ・・・・・はぁ、好きにすれば」 は思ってもいなかった言葉に驚いた表情を見せたが、ため息を吐きそのままスタスタと食堂に向かってしまった。一方ラビも、『好きにすれば』=『友達でいいよ』と言う意味!?など誤解を招く言い方をしたに正直吃驚していた。 なんだかんだで一ヶ月が過ぎて部屋が近かった所為か又はあの会話の所為か、はよくラビと喋る様になった。だがやっぱり冷たい態度をとっていた。 そんなある日は室長のコムイに呼び出された。 「ちゃん大分ココにも慣れたかな?」 「お蔭様で変な人に好かれましたよ」 「それってラビ君?」 「えぇ」 「でも、彼と一緒で楽しいって思ってるでしょ?」 「はぁ?!」 耳の鼓膜が破れるんじゃないかって位のバカ大きい声は教団全体に響いた。室長はまるでこの反応を予知していたように、耳にヘッドホン被せていた。丁度周りに人は居なかったから良かったが、絶対室長以外の人はきっと鼓膜が破れていただろう。 「こ、コムイさん?あなたは何をい、言ってるんででですか?」 「え、ただ言ってみただけだと?違う?だってちゃん本当は男嫌いじゃないじゃん」 「たしかに男嫌いではないですけど。でも変な誤解しないで下さい!ラビは只の・・・」 「只の?」 「いえ、何でもありません・・・。あの、さっさと本題入りません?帰りますよ?それともさっき言ったのが本題とかじゃないですよね?」 「じょ、冗談だよ冗談!だからその拳しまってほしいな」 軽ーく殺気を言葉に混ぜながら&睨みを利かしながら言い、あと本気だったら殴るよ的な動作も見せたらコムイはすぐに訂正した。 「じゃ、何でしょうか?室長様?」 「実はラビ君と任務に行って欲しいんだ」 「・・・・・」←呆然 「・・・・・」←笑顔 「え、冗談ですよね?」 「いや、これは本気」 「嫌に決まっ「リナリーの生写真子供の頃バージョン」行かせていただきますッ!!・・・あ」 「良かったー。じゃ、2時間後出発ね」 「ちょ、今のは無「じゃ、がんばってねー♪」・・・」 はぁ…とため息を漏らすはあらためてコムイさんには勝てないなと実感するのであった。でも、「(リナリーの写真の為、私がんばる!)」実ははリナリーの隠れファンだった。 コムイはゴーレムを使いラビにも任務の事を伝えた。ラビ声を聞いた感じ結構嬉しそうだったのが分かった。やっぱりあの二人・・・。と何気に勘が鋭いコムイだった。 実際任務にまだを出したくなかったが今手が空いてるエクソシストが二人だけだったのもあり、AKUMAも発見されていない地域なので訓練代わりに行かせたつもりだった。 こんな事になるとは思わなかった。 二人が帰ってきた時、出迎えた人は皆愕然した。何故二人ともボロボロなのか?何故二人とも怪我をしている?ラビはまだ意識があっり、イノセンスを使いここまでを連れて帰って来たが重症はだった。 「リナリー!すぐに医療班を!!」 「うん!」 リナリーはダークブーツを使いもう見えなくなっていた。謎は色々あるが兎に角こっちの推測より聞いたほうが早い。 「ラビ!どうしてこんな事に?」 「AKUMAがいたんさ。多分Lv2。全部倒したけど数が多すぎて・・・」 罠だったのか。頭の中でフッと出て来た言葉。最近よく怪奇現象と言う嘘の情報を流し、エクソシストを呼び出し袋叩きにするパターンが増えているのを思い出した。そんなバカな、と思いたいが既に起きてしまったのだ。 あの事件から3日経った。 ラビの怪我はそこまで重傷ではないが安静にしなきゃならない。でも本人がの傍にいたい。いつもの太陽の様な笑顔がまるで皆既日食で太陽の光が無い位に暗い顔になっていた。 「すまなかった」 「コムイの所為じゃないさー!」 「・・・・」 「別にAKUMAは倒せたし、も生きてるわけだし」 ただ目は覚まさないけど・・・。そう呟いたラビは白いベッドに横たわるを見つめた。 は生きている。只何らかの原因で目を覚まさない。だが、すぐ目覚めるだろうとドクターは言った。 「」 夕方。ラビはのベッドの隣に座り、手を握って呼びかけた。呼びかけても起きるなんて事ないと思っていた。 「」 顔に目線をもって行くとピクっと眉毛が動い他気がした。 「?」 ラビがもう一度呼びかけると今度は瞼がピクっと動いた。 「!」 3度目の呼びかけで重い瞼がゆっくりと動いた。 「!大丈夫さ!?どっか痛いところはないさ?」 「痛いところは無いけど・・・」 「良かったさー」 ラビ良かったさーと言いながらに抱きついた。あの時は冷たい体だったの体は今じゃ温かく感じる。ただ、ラビの心は次の一言で音を立てて崩れた。 「あの、初めまして・・・?」 「え?」 望んでいた笑顔がラビに向けられた瞬間なのに、何故?何故、涙が出てくるのだろう。
2度
目の
『初め
まして』
(もうキミはあの表情にはなれないんだ・・・) |