「ツナー!!」



ベッドで横になって漫画を読んでたら窓の外から聞き覚えのある声が聞こえた。



「(うーん、めんどくさい・・・)」
「おいツナっ!面倒とか思ってないで窓開けてよー!」



・・・あいつは超能力者かよと心の中でツッコミながら重い腰を上げ窓を開けた。そしたら予想通りあいつが家の窓から顔を出し片手に何か持ってバカみたいにはしゃいでいた。



「ツナ見て!高校入ってすぐのテストあったじゃん?点数よかったから今日ケータイ買ったってもらったの!でね、ツナに一番に見せたかったからまだ誰にも見せてないよ!」



満面の笑顔で何を持っているかと思ったら携帯を振り回しながら手を振っていた。



あれは携帯だったのかと納得したのも束の間、



「・・・ねぇ、?それ、何かものすごく見覚えのあるってか見慣れてるってか・・・」
「え?だってツナとおそ 「さよなら」 ・・・ってちょっとツナ?!窓閉めようとするなっ!!私達幼馴染でしょー!」
「だからって携帯おそろってどーゆう事だよ!ってか幼馴染関係ねぇーだろおもしろくねぇーよ!ってか今すぐ携帯変えろよ!」
「ひ、ひどいわ綱吉ッ!私は遊びだったって言うのね!」
「何の話だぁぁー!!!」



ガタンッ



「    !!!」



何かが言ってるが、関係なしに窓を閉めた。




とは家が隣同士でお互い窓の前で、まるで子供の口喧嘩のような喧嘩が繰り広げられて何年たったんだろう。もう昔過ぎて覚えてない。たぶんに聞いても分からないだろう。



あきれたとでも言うように俺は一つため息をついきベッドにまた寝転がった。けど同時に口元が緩んでいく。


改めて限界が来たことを実感した。


いや、だって普通に嬉しいよ、おそろいって。


だが、あいつは天然中の天然。俺の裏表も未だに理解していみたいだし。ってか、あいつの中で俺が男という枠に入ってるのかも怪しい。


もう俺の中では幼馴染という枠に収まらなくなくなっているとどこか心の中では気づいていて、でも気づかないようにした。でももう限界が近づいている。もっぱら最近の悩みはあいつの事ばかり。

そしてあのバカは俺の悩みにすら気づいてないだろうし、純粋に幼馴染としか考えていないだろう。



ドドドドッ



階段を思いっきり駆け上がる音のすぐあとに、



「綱吉ぃぃぃー!開けろコンニャロー!!」



ドンドンドンッ



と扉を叩く音と、の声。



「(さぁ、どう気づかそうか・・・)」



おそろいの携帯を机の上に置き、ドス黒いオーラとニヒルの笑みを浮かべ、ゆっくりと部屋のドアの方へ向かった。






おそろいの携帯





(09.12.12)